以呂波(読み)いろは

精選版 日本国語大辞典 「以呂波」の意味・読み・例文・類語

いろは【以呂波・伊呂波】

  1. [ 1 ] ( 「いろは歌」四七字の最初の三字をとった語 )
    1. いろはうた(以呂波歌)」または「いろはがな(以呂波仮名)」の略称。また、「いろは歌」を仮名書きにして濁点を取り除いて読み下したもの、またその最後に「ん」または「京」の文字を加えたもの。いろはしじゅうはちもじ。
      1. [初出の実例]「今日、今麻呂参御前、依勅書以呂波」(出典:台記‐久安六年(1150)正月一二日)
    2. ( 習字の始めにならうことから ) 物事、特にけいこ事の初歩。物事の習い始め。入門的で平易な事柄
      1. [初出の実例]「日本国之いろはは、天台山の慧心の往生要集此(これ)也」(出典:日蓮遺文‐浄蓮房御書(1275))
    3. 物事の順序を示したり、区分を行なったりするために用いる符号
    4. いろはぢゃや(以呂波茶屋)」の略。
      1. [初出の実例]「いろはでは元日からも来なといふ」(出典:雑俳・柳多留‐一一(1776))
    5. ( 討入りの時に、四十七士を「いろは」の三組に分けたと伝えられるところから ) 赤穂四十七士の吉良邸討入りをさしていう語。
      1. [初出の実例]「三年でいろはを上る本望さ」(出典:雑俳・柳多留‐二六(1796))
  2. [ 2 ]
    1. [ 一 ] 狂言。各流。父親が子にいろはを教えようとして、口写しに言えと注意すると子が何から何まで父親のまねをするので怒るという筋。
    2. [ 二 ] ( 伊路波 ) 室町時代朝鮮で作られた日本語学習書。「弘治五年朝鮮板伊路波」とも呼ばれる。弘治五年(一四九二=日本の明応元年)刊行。朝鮮における日本語学習書で現存する最古のもの。日本語の発音ハングルで注記しており、日本語・朝鮮語の音韻史資料として貴重。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

動植物名よみかた辞典 普及版 「以呂波」の解説

以呂波 (イロハ)

植物カエデ科の落葉高木。タカオモミジ別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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