にゅう‐もん ニフ‥【入門】
〘名〙
① (━する) 門の中にはいること。
※
風俗画報‐三六九号(1907)人事門「入門
(ニフモン)せんとせし者も忽ち引返して
通路に立塞がり居る内」 〔
儀礼‐士相見〕
② (━する)
弟子となって、師の教えを受けること。弟子入りすること。
※正法眼蔵(1231‐53)
行持「ただ宿殖般若の種子ある人は、不
レ期に入門せるも」
③ (━する) その事に初めてとりかかること。
物事の最初の段階。
入り口。
初歩。
※
至花道(1420)二曲三体事「
習道の入門
(ニウモン)は、二曲三体を過ぐべからず」
※
洒落本・風俗八色談(1756)一「入門
(ニウモン)を見て薬を与へ、師伝もなくて医者の真似をする族
(やから)が多い」
※
沙汰未練書(14C初)「内談之時、先以
二入門
一有
二其沙汰
一、〈入門とは肝要事也〉」
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デジタル大辞泉
「入門」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
入門
先生について、学問・技芸などを学び始めること。また、広く学び始めること。
[使用例] 師匠は一刀流の剣客で高杉銀平といい、十九歳の平蔵が入門したころ、すでに五十をこえていたが[池波正太郎*鬼平犯科帳 本所・桜屋敷|1968]
[由来] 「[論語]―子張」に出て来るエピソードから。孔子の弟子の子貢は、孔子よりすぐれているのではないか、とうわさされていました。それを聞いた子貢は、「屋敷にたとえるなら、私の塀は肩ぐらいの高さで、中をのぞくことができます。しかし、先生の塀はずっと高いので、『其の門を得て入る(きちんと入り口から入る)』のでなければ、偉大さがわからないのです」と答えたそうです。ここから、先生について学ぶことを「入門」というようになりました。
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普及版 字通
「入門」の読み・字形・画数・意味
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世界大百科事典内の入門の言及
【裁判】より
…守護大名,戦国大名,国人の裁判のなかには〈調停〉の意味が濃い場合があり,近所之儀などと称される紛争解決原理となっている。重要なことは,中世では訴えが提起されたとき,裁判権者がその訴えに理ありと認めればただちに判決する手続(入門(いりかど)という)があり,訴状の右余白に承認文言を記す(外題(げだい))ような解決法があり,被告がこれに承服しないとき初めて理非の審理に入る方向が生ずる。鎌倉幕府下で緻密詳細な訴訟=裁判の手続法が展開するのは,中世の裁判の一側面なのであり,すべてをおおうものではない。…
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