月の定座(読み)ツキノジョウザ

デジタル大辞泉 「月の定座」の意味・読み・例文・類語

つき‐の‐じょうざ〔‐ヂヤウザ〕【月の定座】

連歌・連句で、一巻ひとまきうち、月の句を詠みこむ箇所歌仙では、初表しょおもての5句目、初裏の8句目、名残の表の11句目の3か所。百韻では、初表の7句目、初裏の10句目、二の表・三の表の13句目、二の裏・三の裏の10句目、名残の表の13句目の7か所とされたが、その前後に詠みこむことも許された。月の座。→はなの定座

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精選版 日本国語大辞典 「月の定座」の意味・読み・例文・類語

つき【月】 の 定座(じょうざ)

  1. 俳諧連句の一巻の中で月をよむように定められている場所。百韻の連句では初折の表の七句目、初折の裏の一〇句目、二・三の折の表は一三句目、同じく裏の一〇句目、名残(なごり)の折の表の一三句目の七か所、歌仙の連句では初折の表の五句目、初折の裏の八句目、二の折の表の一一句目の三か所。ただし、後には、百韻の初・二・三折の裏の一〇句目はそれぞれ九句目に、歌仙の初折の裏の八句目は七句目に改められた。月の座。月所(つきどころ)
    1. [初出の実例]「哥仙の仕やうの事〈略〉十一句め花面五句め月(ツキ)定座(ジャウザ)なり」(出典男重宝記(元祿六年)(1693)二)

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世界大百科事典(旧版)内の月の定座の言及

【定座】より

…俳諧用語。連句一巻の中で,月・花の句をよむように指定された所。四季の景物を代表する月と花を,懐紙各折の表裏にもれなく配するための規定である。懐紙4折を用いる百韻では,各折に花,各折の表裏に月,ただし最後の折の裏の月は省略して〈四花七月〉とする制が連歌において定まった。懐紙2折を用いる歌仙では,これに準じて〈二花三月〉とした。ところが月・花ともに大事な景物なので,連衆が遠慮して譲りあい,各折各面の最後まで見送られてしまうことが多く,せっかくの景物を最後の短句によむのは惜しいので,一つ前の長句に落ち着いて,そこが定座となった。…

※「月の定座」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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