定座(読み)ジョウザ

デジタル大辞泉 「定座」の意味・読み・例文・類語

じょう‐ざ〔ヂヤウ‐〕【定座/定×坐】

仏語。座して禅定ぜんじょうに入ること。
連歌・連句で、二大景物とされる月・花を詠むことに決められた句の位置。例えば、百韻初表しょおもて7句目を月の定座、歌仙初裏の11句目、名残の裏5句目を花の定座とするなど。

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精選版 日本国語大辞典 「定座」の意味・読み・例文・類語

じょう‐ざヂャウ‥【定座・定坐】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 定坐 ) 仏語。坐して禅定(ぜんじょう)に入ること。あぐらを組んですわること。正身端座すること。
    1. [初出の実例]「定坐二人〈一人法印弟子一人林懐弟子〉」(出典:左経記‐寛仁四年(1020)三月二二日)
    2. 「昼夜定坐して、極熱極寒には発病しつべしとて」(出典:正法眼蔵随聞記(1235‐38)二)
  3. 定まった場所や座席。定席。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  4. 俳諧で、月・花の二大景物をよみこむようにきめられた句の順位。たとえば、百韻の初表七句目を月の定座、歌仙の初裏一一句目を花の定座とする類。
    1. [初出の実例]「月花定座 一面八句の内、七句目、月の定座なれ共、七句目までは出がちにすべし。〈略〉名残の裏八句、月なし。七句目、花の定座也」(出典:俳諧・京羽二重(1691)四)

定座の補助注記

のように俳諧で用いられるようになったのは、近世初期の貞門俳諧からであると推測される。

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改訂新版 世界大百科事典 「定座」の意味・わかりやすい解説

定座 (じょうざ)

俳諧用語。連句一巻の中で,月・花の句をよむように指定された所。四季の景物を代表する月と花を,懐紙各折の表裏にもれなく配するための規定である。懐紙4折を用いる百韻では,各折に花,各折の表裏に月,ただし最後の折の裏の月は省略して〈四花七月〉とする制が連歌において定まった。懐紙2折を用いる歌仙では,これに準じて〈二花三月〉とした。ところが月・花ともに大事な景物なので,連衆が遠慮して譲りあい,各折各面の最後まで見送られてしまうことが多く,せっかくの景物を最後の短句によむのは惜しいので,一つ前の長句に落ち着いて,そこが定座となった。各折の裏の定座は花が占めるので,月はその3句前あたりに出すのが目安である。
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