速度の時間的変化の割合をいう。速度はベクトル量であるので、加速度もベクトル量である。位置ベクトルrが時間tの関数として与えられているときには、速度vは位置ベクトルを時間で微分して、また加速度aは速度を微分して求められる。すなわち
v=dr/dt, a=dv/dt
逆に、速度は加速度を、位置ベクトルは速度を積分して求められる。すなわち
ここでv0、r0、v(t')、a(t')は、それぞれ時刻がゼロのときの位置ベクトルと速度、時刻t'のときの速度と加速度を示す。
加速度が物体に加えた外力によって生じることを述べたのが、ニュートンの運動の第二法則である。重力は地表の各点で高さによらないほぼ同じ大きさをもっているので、重力の作用を受けた物体は一定の加速度を受け等加速度運動を行う。CGS単位の加速度の単位(cm/sec2)をガル(Gal)とよぶことがある。ガリレイにちなんだ単位名である。
[田中 一]
速度の時間的変化の割合。速度というときにはその大きさ(速さ)と方向の両方を考えたベクトルを指すので,速さは変わらなくても方向が変われば速度は変わったといい,このときには加速度が存在する。ベクトルとしての速度を,長さが速さに比例し方向が速度の方向と一致する矢印で表し,矢尻を定点に固定して時々刻々の速度の矢印を描くと,速度の変化は矢印の先端の動きで表される。矢印の先端が時間の経過とともに描く曲線をホドグラフ(hodograph。hodosはギリシア語で道の意)と呼び,ホドグラフ上を矢の先端が動く〈速度〉(方向も含めたベクトル)が加速度である。加速度の大きさは速さを時間で割った単位で測られる。なお,角速度の時間的変化の割合は角加速度angular accelerationと呼ばれる。
執筆者:小出 昭一郎
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…しかし,狭義には,前者を〈英才教育〉と呼ぶ場合が多い。また学校教育においては,知能指数(IQ)120~130以上の知的優秀児に対して,飛級などの累進進級法acceleration(rapid promotion)やカリキュラム拡充法enrichment of curriculum,能力別クラス編成などの方法を採用することにより,義務教育の段階から優秀児の知的能力を開発する試みが,ドイツ,フランス,アメリカなどで行われている。また,日本においては,太平洋戦争開始後,日本の戦力増強という国家目的のために,科学者を養成するための英才教育計画が試みられ,1944年広島高等師範付属中学,45年東京高等師範付属中学に〈特別科学教育学級〉が設置された。…
…さてギリシア的な強制運動の理論と,近代力学のそれとの根本的な差は,運動力が運動体に何を与えるか,という問題である。前者はそれを運動そのもの(つまり〈速さ〉)と考え,後者はそれを運動の変化(つまり〈加速度〉)と考えているからである。近代力学の成立はニュートンの運動法則の成立に重なるといってよいが,アリストテレスからニュートンまでの2000年の時間のなかで,古代世界,ビザンティン,イスラム,中世ヨーロッパを経て熟成した運動概念についてのさまざまな研究の歴史の延長上に,ニュートンの運動法則が存在する。…
…この中で彼は,あらゆる物体が同一種類の物質から成ることを前提にしたうえで,アルキメデスの静力学的な浮力の原理を拡大することによって,落体の速度が落体の比重から媒質の比重を差し引いたものに比例すると論じている。だが,その後まもなく彼は,斜面や振子の研究を深めることによって,《運動について》では副次的役割しか与えられなかった加速度こそが,落体の運動の本質的要因であることを見抜き,ついには真空中での落下距離が落下時間の2乗に比例し,しかもそのためには落下速度が落下時間に比例しなければならないという落体の基本法則を発見した。さらにこの研究の過程で運動の合成の法則と慣性の法則を導き出し,投射体の経路がパラボラ曲線になることを証明することができた。…
※「加速度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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