有珠火山(読み)うすかざん

最新 地学事典 「有珠火山」の解説

うすかざん
有珠火山

Usu volcano

洞爺火山の後カルデラ火山の一つ。気象庁の活火山名は有珠山(Usuzan)。基底直径約6kmの成層火山と,側火山としてスコリア丘(ドンコロ山)がある。成層火山の頂部には直径約1.8kmの山頂火口があり,その火口内および山麓には多数の溶岩ドームと潜在ドームがある。最高点は大有珠溶岩ドーム(標高733m)。活動開始は約2万年前で,安山岩質マグマによる爆発的噴火に引き続いて玄武岩~玄武岩質安山岩マグマの活動が約1万年前頃までは続いて,成層火山体が形成された。約8,000年前に,山体の南部が大規模に崩壊して善光寺岩屑なだれが発生した。その後の長い休止期の間に,マグマの性質が珪長質に変化し,西暦1663年からの歴史時代活動期が起こった。2,000年の噴火まで計9回の噴火活動があった。最初の1663年噴火は最大規模で(VEI=5),プリニー式噴火のあとマグマ水蒸気噴火が発生し,火砕サージが山体を厚く覆ったが,溶岩ドームの形成は確認されていない。このプリニー式噴火で約2km3流紋岩質軽石(有珠bテフラ)を十勝平野まで放出した。その後の噴火活動では規模は小さくなったが,類似した噴火推移をたどっている。まず爆発的噴火により噴煙柱が形成され,その後に火砕流・火砕サージが発生し,最後に溶岩ドームや潜在ドームを形成。1943〜45年噴火で昭和新山(溶岩ドーム),77~78年噴火で大有珠と小有珠の間に潜在ドーム(有珠新山,667m)が隆起した。歴史時代活動期では噴出物の化学組成は時間とともにマフィックに変化しており,その時間変化に注目することで,各溶岩ドームの形成年代も明らかになっている。いずれの噴火も粘性が高い流紋岩~デイサイト質マグマが関与しているために,地震活動や地殻変動などの顕著な前兆現象が認められ,2000年の噴火では前兆現象を受けて,事前の住民避難が実施され人的被害は発生しなかった。

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出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

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