有用腸内細菌(読み)ゆうようちょうないさいきん

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

有用腸内細菌
ゆうようちょうないさいきん

腸内に存在する細菌のうち、人体に有益な影響をもたらすものをさす。俗に善玉菌とよばれることもある。
 腸管内に常在する多くの微生物群を腸内フローラ(腸内細菌叢(そう))とよび、これらは相互に関係しあって腸内環境を整えるように働くが、このバランスが崩れると健康を損なう原因となる。有用腸内細菌の代表的なものは、ヨーグルトなどに含まれるビフィズス菌(ビフィドバクテリウム属Bifidobacterium)や乳酸桿菌(かんきん)(ラクトバチルス属Lactobacillus)などがある。食品とともに体内に取りこまれる納豆菌、酵母、麹(こうじ)菌などによっても活性化される。有用腸内細菌は、腸内フローラのバランスを保持して整腸作用を促進し便秘や下痢を予防すると同時に、近年の研究で免疫力を高める働きもあることがわかり、結果として感染症予防にも寄与している。
 これに対して、発がん物質はじめ健康を害する原因となる物質をつくりだすものは有害腸内細菌とよばれる。ほかに通常はほとんどヒトの体に影響を及ぼさない日和見(ひよりみ)菌があり、これは有用腸内細菌優位であればこれを助けるように働くが、有害腸内細菌優位となるとヒトの健康を害する働きをおこす。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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