酵母(読み)こうぼ(英語表記)yeast

翻訳|yeast

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

酵母
こうぼ
yeast

菌類に属する単細胞の生きている菌の塊で,パンの製造やビール,ぶどう酒醸造などに用いられる。この細胞は楕円形出芽によって増殖する。蛋白質を多く含み,ビタミン,酵素類に富んでいるので,栄養価はきわめて高い。英語のイースト yeastは,ギリシア語の「沸騰する」の意からきている。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

酵母

糖分をアルコールに変える微生物明治以前は、大気中や蔵にすみついた酵母に頼って酒を造っていた。だが酒の品質は安定せず、時には失敗することもあった。こうした状況を改善するため、06(明治39)年に前身が設立された日本醸造協会は、全国から優れた酵母を集め、研究販売を手がけた。同協会が蔵元に販売する清酒用酵母は、発売順に番号をふり「協会○号」と呼ばれる。現在、15号まであるが、1〜5号はすでに販売中止で、6号が最古となる。

(2006-07-27 朝日新聞 朝刊 秋田全県 2地方)

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デジタル大辞泉の解説

こう‐ぼ〔カウ‐〕【酵母】

子嚢菌(しのうきん)類球形または楕円形の単細胞の菌。ふつう、出芽によって増殖し、アルコール発酵を行うので、酒の醸造やパン製造に利用される。酒酵母・ビール酵母・ぶどう酒酵母・パン酵母など、多くの種類があり、それぞれ別種の固有の菌で醸造または発酵される。イースト。酵母菌
[補説]書名別項。→酵母

こうぼ【酵母】[書名]

《原題Yeastチャールズ=キングズリーの処女小説。1848年発表、1851年刊行。社会・宗教問題をテーマに描かれた。

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百科事典マイペディアの解説

酵母【こうぼ】

酵母菌とも。出芽または分裂によって増殖し,生活環のほとんどを単細胞で過ごす菌類の総称。地中,水中,植物体,有機物上などに存在。多くは糖分を分解してアルコール発酵を行うので,古くから酒の醸造に用いられてきた。また発酵に際して,炭酸ガスを発生して,液面に多量の泡(あわ)を立てる性質はパンの製造に利用される。酵母の成分は種類や培養法によって異なるが,タンパク質,ビタミン類に富み栄養価は高い。実用的種類にはビール酵母,清酒酵母,ブドウ酒酵母,パン酵母(イースト),薬用酵母(乾燥酵母)などがある。
→関連項目真菌

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とっさの日本語便利帳の解説

酵母

糖分をアルコールに変える微生物。香りの成分も作り出す。日本醸造協会が頒布するきょうかい酵母が一般的。中でも熊本県の「香露」を造る蔵元から採取された9号は、香り高く品質の良い酒ができると、吟醸酒造りに使う蔵が多い。

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栄養・生化学辞典の解説

酵母

 単細胞で,形がほぼ球形の真核微生物.生活環の大部分を,単細胞で経過する.[Saccharomyces]属など,酒,食品の発酵に有用な菌もある.

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世界大百科事典 第2版の解説

こうぼ【酵母 yeast】

通常の生育状態が主として単細胞で,出芽または分裂により増殖する菌類の総称。酵母菌ともいうが,いずれも分類学上の用語ではない。子囊胞子を形成するサッカロミケスSaccharomyces,ピキアPichia,ハンゼヌラHansenula,デバリオミケスDebaryomycesなどは子囊菌類に由来し,冬胞子(テリオスポアーteliospore)を形成するロドスポリディウムRhodosporidium,レウコスポリディウムLeucosporidium,その半数体のロドトルラRhodotorula,スポロボロミケスSporobolomycesなどは担子菌類に由来すると考えられている。

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大辞林 第三版の解説

こうぼ【酵母】

出芽または分裂によって繁殖する菌類で、5~10マイクロメートルの球形または楕円形の単細胞生物。ビール酵母・葡萄ぶどう酒酵母などは醸造に用いられ、パン酵母は製パン時にガスを発生させるのに利用される。酵母菌。イースト。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

酵母
こうぼ

イーストともいい、酵母菌類に属する菌。古くは酒のもろみ(諸味)中でアルコール発酵のもと(原因)となったものを酒母(しゅも)とよんだが、明治以後これを広く解釈して醸母(じょうも)とよぶようになった。アルコール発酵の原理が解明され、いつしか酵母というようになった。[曽根田正己]

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