朝腹(読み)アサハラ

デジタル大辞泉 「朝腹」の意味・読み・例文・類語

あさ‐はら【朝腹】

朝食前の空腹
「―ノ事ナレバ吐却スレドモ」〈天草本伊曽保・イソポが生涯
早朝。あさっぱら。
「なま年よって―から碁の打ちたさうなつらな」〈咄・露がはなし・五〉
きわめてたやすいこと。朝飯前
「そんな事は―、―」〈浄・鬼一法眼

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精選版 日本国語大辞典 「朝腹」の意味・読み・例文・類語

あさ‐はら【朝腹】

〘名〙
① 朝食前のすき腹。
※天草本伊曾保(1593)イソポの生涯の事「asafarano(アサハラノ) コト ナレバ、トキャクスレドモ、タン ヨリ ホカワ ベツニ ハキダサナンダ トコロデ」
※仮名草子・水鳥記(1667)一五「是こそあさはらにもよくくらふやつとて」
※評判記・難波の㒵は伊勢の白粉(1683頃)二「一牧が物は朝はらじゃと小四郎も極められたと」
浄瑠璃鬼一法眼三略巻(1731)二「そんな事は朝(アサ)はら朝はら」

あさっ‐ぱら【朝腹】

〘名〙
① (「あさはら(朝腹)」の変化した語。朝食前の空腹の意から) 朝早い時刻。早朝。あさはら。
雑俳・柳多留‐九(1774)「御帰りをいふないふなとあさっぱら」
② 朝食前の空腹をふさぐためのちょっとした食べ物
※雑俳・削かけ(1713)「せいが出る・あさっぱらには所化鉢(はち)
③ (②が容易に食べられるところから) 物事の容易なこと。朝腹の茶漬。朝飯前。あさはら。
滑稽本浮世床(1813‐23)三「『イヤ鬢公委しいものバイノ』『ナニお前(めへ)さんこんなことは、朝(アサ)っぱらの事サ』」

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