朝鮮共産主義運動(読み)ちょうせんきょうさんしゅぎうんどう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「朝鮮共産主義運動」の意味・わかりやすい解説

朝鮮共産主義運動
ちょうせんきょうさんしゅぎうんどう

ロシア革命後,ボルシェビズム東進に伴い 1918年ロシア領内で組織された李東輝などの韓人社会党と,帰化人らによるイルクーツク共産党韓人支部の運動に始る。 19年の三・一運動以後上海に大韓民国臨時政府が樹立されると,首相に選任された李東輝によって,21年上海派の高麗共産党が組織された。一方イルクーツク派は 19年全露韓人共産党 (1920年,全露高麗共産党と改称) を組織し,国内浸透をはかった。国内でも三・一運動以後社会主義思想が台頭し,火曜会,北風会など各種思想団体や青年団体,労働団体などが組織され,25年国内で初めて朝鮮共産党と朝鮮共産青年会が結成され,主導権が国内に移った。しかし日本警察のきびしい弾圧をこうむり,内部分裂もあって,27年結成された民族主義者との統一戦線であった新幹会の主導権も民族主義者に取られ,31年新幹会は解散,活動家の多くは逮捕されるか地下に潜行せざるをえなかった。 45年解放とともに共産主義運動も自由になったが,南朝鮮では大韓民国政府樹立とともに非合法化され,北朝鮮ではソ連軍とともに入国したキム・イルソン (金日成) の指導もとに,朴憲永などの南朝鮮労働党系や中国延安から帰国した共産主義者らが参加し,48年共産主義政権が樹立された。

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