朝日日本歴史人物事典 「木下清左衛門」の解説
木下清左衛門
生年:文化14(1817)
江戸後期の篤農家,詳細な農業記録を作成。河内国若江郡八尾木村(八尾市)の庄屋の長男。25歳のとき大病を患い,天保13(1842)年,病隙に筆を取り始めて『家業伝』を著し,生涯独身をとおした。著作の目的は農業技術を後代に伝えることにあり,『農業全書』『農稼業事』『農業余話』『棉圃要務』などの先人の農書を読み,また居村の農業技術を記帳して耕作帳をつくり,技術の効果を検証するために経営帳簿を作成。これらの知識と経験に基づいて『家業伝』を叙述し,停滞的傾向を示していた当時の畿内農業から脱却する道を模索した。<参考文献>岡光夫「『家業伝』解説」(『日本農書全集』8巻)
(葉山禎作)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報