木丸殿(読み)きのまろどの

精選版 日本国語大辞典 「木丸殿」の意味・読み・例文・類語

きのまろ‐どの【木丸殿】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 削ったりみがいたりしない質素な丸木造りの宮殿黒木造り御所。とくに福岡県朝倉郡朝倉町にあった斉明天皇行宮のこと。きのまるどの。
    1. [初出の実例]「〈本〉朝倉や 支乃万呂止乃(キノマロドノ)に 我が居れば 〈末〉我が居れば 名宣りをしつつ 行くは誰」(出典神楽歌(9C後)明星朝倉)
  2. [ 2 ] ( [ 一 ]の「神楽歌」の例を「新古今和歌集」では天智天皇の作としており、その歌にちなんでいう ) 天智天皇の異称
    1. [初出の実例]「曲りなり木の丸殿の御造営」(出典:雑俳・柳多留‐八四(1825))

きのまる‐どの【木丸殿】

  1. 〘 名詞 〙きのまろどの(木丸殿)[ 一 ]
    1. [初出の実例]「内裏は山のなかなれば、かの木(キ)丸殿(マルドノ)〈高良本ルビ〉もかくやとおぼえて」(出典:平家物語(13C前)八)

このまろ‐どの【木丸殿】

  1. 〘 名詞 〙 丸木造りの質素な御殿。きのまろどの。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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