朝日日本歴史人物事典 「木村正幹」の解説
木村正幹
生年:天保14(1843)
明治期の実業家。元長州(萩)藩士で井上馨の部下。京都府勧業掛大属を勤めたが,井上の 先収会社設立に伴い,招かれて明治7(1874)年入社。9年先収会社を引き継ぎ三井物産が創設されると,副総括(副社長)就任(総括益田孝)。26年常務理事首座となり,27年三井家監査役就任のため退社。27~31年には財閥統轄機関三井家同族会参列員も務めた。三井物産では社外交渉に追われ不在がちの益田に代わり,社内管理に緻密な事務処理能力を発揮,御用会社から総合商社への展開を内側から支えた。<参考文献>実業之世界社編『財界物故傑物伝』上,三井文庫編『三井事業史』2巻
(花井俊介)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報