朝日日本歴史人物事典 「本城安太郎」の解説
本城安太郎
生年:万延1(1860)
明治期のいわゆる大陸浪人。玄洋社社員。黒竜会同人。父は福岡藩士。明治9(1876)年故郷福岡から上京し,西郷隆盛の挙兵に呼応しようとしたが,計画が発覚して投獄された。のち出獄して『日本新聞』の記者となり,高島炭鉱事件などの取材に敏腕を振るった。25年日清戦争の気運が高まると,陸軍大将川上操六の密命を受けて中国大陸へ渡り,芝罘方面を主要エリアに情報収集活動などに従事した。陸軍の大陸工作要員としての性格が強く,その後も北清事変,日露戦争,辛亥革命,第1次大戦などの裏面で活動。また対支連合会,国民外交同盟会の評議員でもあった。<参考文献>黒竜会編『東亜先覚志士記伝』
(山崎有恒)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報