本城安太郎(読み)ホンジョウ ヤスタロウ

20世紀日本人名事典 「本城安太郎」の解説

本城 安太郎
ホンジョウ ヤスタロウ

明治・大正期の大陸浪人 玄洋社社員。



生年
万延1年(1860年)

没年
大正7(1918)年7月4日

出生地
筑前国(福岡県)

経歴
福岡藩士の家に生れる。明治9年上京し、「日本新聞」記者を経て、22年フランスに渡る。帰国後河上操六大将の知遇を受け、25年日清開戦に先立ち、軍の密命を受け中国芝罘方面に渡る。日清戦争には陸軍通訳官として従軍。以来、義和団事変(北清事変)、日露戦争辛亥革命などで中国大陸工作要員として偵察裏面工作等に従事した。また、玄洋社社員として活動し、のち黒龍会同人として対支連合会、国民外交同盟会の評議員を務めた。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

朝日日本歴史人物事典 「本城安太郎」の解説

本城安太郎

没年:大正7.7.4(1918)
生年:万延1(1860)
明治期のいわゆる大陸浪人。玄洋社社員。黒竜会同人。父は福岡藩士。明治9(1876)年故郷福岡から上京し,西郷隆盛挙兵に呼応しようとしたが,計画が発覚して投獄された。のち出獄して『日本新聞』の記者となり,高島炭鉱事件などの取材に敏腕を振るった。25年日清戦争の気運が高まると,陸軍大将川上操六の密命を受けて中国大陸へ渡り,芝罘方面を主要エリアに情報収集活動などに従事した。陸軍の大陸工作要員としての性格が強く,その後も北清事変,日露戦争,辛亥革命,第1次大戦などの裏面で活動。また対支連合会,国民外交同盟会の評議員でもあった。<参考文献>黒竜会編『東亜先覚志士記伝』

(山崎有恒)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「本城安太郎」の解説

本城安太郎 ほんじょう-やすたろう

1860-1918 明治-大正時代の大陸浪人。
万延元年生まれ。玄洋社社員,のち黒竜会同人。明治25年軍の密命をうけ清(しん)(中国)にわたって情報収集にあたり,日清戦争では陸軍通訳となる。北清事変(義和団の乱),日露戦争,辛亥(しんがい)革命などで裏面工作に従事した。大正7年7月4日死去。59歳。筑前(ちくぜん)(福岡県)出身

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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