ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「本多健一」の意味・わかりやすい解説
本多健一
ほんだけんいち
[没]2011.2.26. 東京
応用化学者。光電気化学の研究で知られ,特に光照射するだけで物質を分解できる光触媒を実現する本多・藤嶋効果を藤嶋昭とともに発見した。1949年東京大学工学部卒業,1957年パリ大学で理学博士号,1961年東京大学で工学博士号を取得。東京大学生産技術研究所助教授を経て 1986年まで同大学工学部教授。1983~89年京都大学教授も務めた。1989年から東京工芸大学教授,1996~2004年同大学学長を務めた。1967年,当時東京大学大学院生だった藤嶋昭と,二酸化チタン電極に紫外線を照射すると水の酸化分解が起こることを発見。1972年に科学誌『ネイチャー』にこの発見を発表して,光エネルギーを化学エネルギーに変換できる光触媒効果の概念を確立した。光触媒は環境汚染物質除去などさまざまな応用が進んでいる。1983年朝日賞,1992年日本学士院賞,2004年日本国際賞など多くの賞を受けた。1997年文化功労者に選ばれた。
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