本権(読み)ホンケン

大辞林 第三版の解説

ほんけん【本権】

事実上の関係である占有を法律上正当づける権利。所有権・地上権・質権・賃借権など。占有すべき権利。 → 占有権

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精選版 日本国語大辞典の解説

ほん‐けん【本権】

〘名〙
① 事実関係としての占有を正当づける実質的な権利。所有権・地上権・質権の類。
※民法(明治二九年)(1896)二〇二条「占有の訴は本権に関する理由に基きて」
② 基本的人権のこと。
※明六雑誌‐五号(1874)米国政教〈加藤弘之訳〉「奉教自由の権は実に合衆国兆民の本権なる所以を示すに足る者なり」

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世界大百科事典内の本権の言及

【占有】より

…なお,賃借人や運送人なども,他人の物ではあるが自己の利益において,すなわち自己のためにする意思をもって物を所持しているので占有者である。 占有権に対して,法律上,物を支配する権能としての所有権,賃借権などを本権とよんでいる。なお占有すべき権利(あるいは権限)という言葉は,賃借人が賃借権にもとづいて占有しているときのように,所有者からの所有権にもとづく返還請求(〈物権的請求権〉の項目参照)を拒否しうる根拠としての権利をさす意味に用いられる。…

【相続】より

…この点について,物権的請求権の非時効性と対比して考えるならば,相続回復請求権は,個別の財産について所有権を証明することなく,相続財産に属していたことを証明するだけで占有を回復することを許すと同時に,占有権利行使期間を制限することによって表見相続人にも保護を与えることを目的とした制度であるということになる。権利行使期間を経過したのちは,真正の相続人は,個別の財産について被相続人が所有権など本権を有したことを証明し,その承継人として返還請求を行う以外に目的物の対物支配を回復することができない。
【農家相続】
 農家の財産の大部分は,農地である。…

【知行】より

…ちなみに近代法においては,〈Aは(占有しているが)所有権者ではない,自分Bこそが所有権者である〉〈いや,自分Aこそが所有権者である〉という形の主張が対立することになる。このような場合の〈知行すべき由緒〉は,近代法の〈占有すべき(占有を正当ならしめる)権利(本権ないし権原)〉と似ているので,その限りで〈知行〉は占有possessioに類似の概念だとする学説が成り立ちそうにみえる。しかし,〈由緒〉は知行の取得原因たる事実(売買,交換,相続,等々)であって,権利ではない。…

【物権】より

…したがって,いわば仮の権利とでもいってよい。これに対し,占有権以外の権利は本権(占有を正当づける実質的な権利。占有権に対し,〈占有すべき権利〉ともいう)とよばれる。…

※「本権」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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