普及版 字通 「朿」の読み・字形・画数・意味


6画

[字音]
[字訓] とげ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
標識として樹(た)てた木の形。才と同じく縦横の木を結んで樹てた形で、袖木をつけて聖所の標識とした。才は祝詞の器である(さい)をとりつけた形、朿は横木だけの標木である。軍の基地を卜文・金文(し)に作る。(し)は出征のとき祭った肉。駐屯地にはその肉を祭り、前に朿を樹てた。〔説文〕七上に「木なり」とし、「讀みて刺の(ごと)くす」という。単なる木(とげ)ではなく、本来は聖なる標識である。のち市の門にも立てたらしく、市の初形は朿に之(し)を加えた形である。

[訓義]
1. しるしの木、聖なる標識。
2. 草木ののぎ、とげ。

[部首]
〔説文〕〔玉〕に棗・棘の二字をこの部に属する。聖標識の朿の義を承けるものでないが、木や袖木の形をのぎ・とげとみたてたのであろう。

[声系]
〔説文〕に朿声として(帝)・・刺・策・など十字を収める。は祭卓の象形で、示に支柱を交叉して加えた形。(し)は〔説文〕二上に「(しる)すなり」とあり、標識としての朿の初義を存する字である。刺は刺突、策は馬(ばすい)。みな細く長い形のもの。(せき)は責の初文。朿は(せき)、聖表を立てた支配地を意味し、その貢献物をという。金文に賦貢を「帛」という。賦貢を課することを債という。

[語系]
朿・刺tsiekは同声。責・債tzhekはもと朿に従う字で、語義に関連するところがある。

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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