李奉昌(読み)りほうしょう(英語表記)(R)I Pong-ch`ang

改訂新版 世界大百科事典 「李奉昌」の意味・わかりやすい解説

李奉昌 (りほうしょう)
(R)I Pong-ch`ang
生没年:1900-32

朝鮮の独立運動家。ソウル竜山の出身。中国上海抗日運動に参加し,金九の影響を受ける。天皇裕仁を暗殺して独立運動を高揚しようと企図し,1932年1月8日,東京桜田門外を通行する天皇馬車手榴弾を投げた(桜田門事件)。投弾後,太極旗をうちふり大韓独立万歳を叫ぶ。逮捕され,10月10日市ヶ谷刑務所で処刑。彼の企図は失敗に終わったが,同年4月に上海で尹奉吉(いんほうきつ)が実行した日本要人への爆弾事件とともに,朝鮮独立運動のしたたかさを改めて認識させるものであった。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「李奉昌」の解説

李奉昌 イ-ポンチャン

1900-1932 朝鮮の独立運動家。
光武4年生まれ。一時,日本でくらし,大正15年(1926)中国にわたり上海で抗日運動にくわわる。韓人愛国団にはいり,大韓民国臨時政府主席金九(キム-グ)の支持のもと昭和天皇暗殺を計画し,昭和6年日本に潜入。7年1月8日桜田門外で天皇の馬車に手榴(しゅりゅう)弾をなげ逮捕され(桜田門事件),同年10月10日処刑された。33歳。漢城(現ソウル)出身。文昌学校卒。

李奉昌 り-ほうしょう

イ-ポンチャン

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の李奉昌の言及

【桜田門事件】より

…爆弾は一木喜徳郎宮内大臣の馬車に軽微な損傷をあたえただけで,その後方の天皇の馬車には何の異常もなかった。爆弾を投げたのは朝鮮人の土木労働者李奉昌で,日本で差別や虐待をうけたことを憤り,上海で朝鮮独立党の金九から爆弾を渡され,天皇を暗殺しようとして失敗したものであった。李はその場で捕らえられ,大逆罪により10月10日死刑に処された。…

※「李奉昌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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