李宝嘉(読み)りほうか(英語表記)Li Bao-jia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「李宝嘉」の意味・わかりやすい解説

李宝嘉
りほうか
Li Bao-jia

[生]同治6(1867)
[没]光緒32(1906)
中国,清末の小説家。江蘇省上元 (江寧県) の人。字,伯元。号,南亭亭長。初め官吏を志したが失敗して上海へ行き,小型新聞の発行を試みた。義和団事変ののち小説の創作を始め,清末の官界内情をあばいた『官場現形記』を発表して有名になり,また商務印書館の依頼で絵入り雑誌『繍像小説』の編集にあたり,みずから『文明小史』『活地獄』などを連載。そのほか『海天鴻雪記』などがあるが,やがて病没したため未完の作が多い。呉敬梓の『儒林外史』を継承した風刺小説の清末における流行のさきがけとなった点は高く評価されるが,やや低俗な暴露記事的興味に堕しているといわれる。

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百科事典マイペディア 「李宝嘉」の意味・わかりやすい解説

李宝嘉【りほうか】

中国,清末のジャーナリスト文人。字は伯元。若くして文才発揮科挙には及第せず,上海に出て《指南報》《上海世界繁華報》などの新聞を発刊雑文,小説,詩,有名人のゴシップなどを書く。呉敬梓の《儒林外史》を範に,当時の官界の腐敗堕落を描く白話小説《官場現形記》を著す。

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世界大百科事典(旧版)内の李宝嘉の言及

【官場現形記】より

…中国,清末の白話長編小説。李宝嘉(1867‐1906。字は伯元)が南亭亭長の筆名で新聞に連載,1903‐06年(光緒29‐32)単行。…

※「李宝嘉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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