朝日日本歴史人物事典 「李芸」の解説
李芸
生年:恭愍22(1373)
李氏朝鮮前期の官人,外交官。日本語読みは「り・げい」。もと蔚山郡の役人で,倭寇との交渉に功績があり,副司直,大護軍,上護軍,中枢院事などの官職を歴任した。8歳のときに母が倭寇によって連れ去られたため,使節に随行して来日したが,さがし当てることはできなかった。その後,日本や琉球に使いすること40回におよび,倭寇などによって日本に連れ去られた朝鮮人の送還に尽力した。特に,永享10(1438)年に対馬に使いし,島主宗貞盛との間に文引の制を締結したことは,中世日朝交渉史上注目される。<参考文献>『朝鮮史』4篇1~4巻
(佐伯弘次)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報