条痕色(読み)じょうこんしょく

精選版 日本国語大辞典 「条痕色」の意味・読み・例文・類語

じょうこん‐しょく デウコン‥【条痕色】

〘名〙 白色の素焼磁器板に鉱物をすりつけたときに得られる鉱物の細粉の色。鉱物の鑑定に用いる。

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世界大百科事典 第2版 「条痕色」の意味・わかりやすい解説

じょうこんしょく【条痕色 streak】

条痕ともいう。鉱物を粉末にした場合に呈する色彩不透明鉱物は粉末にした場合,その示す色彩と異なった色彩を呈することが多い。例えば黄金色を示す黄鉄鉱黒色を,金は黄金色の条痕色をもつ。条痕色は白色素焼きの磁器製の条痕板に鉱物をすりつけて描かれる条線の色を観察することによって調べる。条痕板はその表面に石英粉が焼き付けられているためモース硬度7以下の鉱物の検査に使用され,より硬い鉱物では粉末にした呈色により調べる。

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百科事典マイペディア 「条痕色」の意味・わかりやすい解説

条痕色【じょうこんしょく】

鉱物の粉末が示す色。鉱物の色としばしば異なる。白い素焼板(条痕板)の上を鉱物でこすったときのすじの色で示す。素焼板の硬度は6ぐらいであるから,これ以上の硬度の鉱物の条痕色は素焼板ではわからない。しかし,硬度7以上の鉱物ではたいてい条痕色は鉱物の色と同じになる。

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世界大百科事典内の条痕色の言及

【鉱物】より

…その操作の大半は鉱物の観察結果によって行うものである。すなわち,色彩,光沢,外形,結晶形態などの観察その他の肉眼鑑定に加え,手に取り上げた場合の大略の比重,冷たさなどの触感その他を用いた方法,さらに簡単な鑑定用器具を用いた方法,例えば条痕板を用いての条痕色の観察,モース硬度計による硬度の測定などを加えて行う。この場合,鉱物の諸性質の記憶によって行うものであるが,さらに鉱物鑑定表を活用して行うことも多くみられる。…

※「条痕色」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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