明確な定義はないが、重金属元素(単体で比重4以上の遷移元素)を主成分とし、金属ないし亜金属あるいは金剛光沢をもつ鉱物の総称。不透明から半透明のものが多い。系統分類上は、元素鉱物、硫化鉱物、酸化鉱物などに属し、多くの場合その含有成分元素の鉱石鉱物となる。主成分となる重金属元素としては、原子番号順に、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、タンタル、タングステン、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、タリウム、鉛、蒼鉛(そうえん)(ビスマス)、トリウム、ウランなどがあり、ヒ素、セレン、テルルが加えられることもある。これらの元素は、地球化学上すべて親銅元素に属し、地球化学的挙動上の共通した性質をもつことが多く、金属鉱物として濃集して鉱床を形成しやすい。鉱床には単一種重金属元素の鉱床と、複数種の重金属元素の鉱床がある。前者に属するものには、堆積(たいせき)起源の酸化鉄鉱物(磁鉄鉱、赤鉄鉱、針鉄鉱など)、酸化マンガン鉱物(多く二酸化マンガンの鉱物)などを鉱石鉱物とするものがあり、後者には多くの金属鉱床が属し、いくつかの元素の組合せを形成する。すなわち、亜鉛―鉛、銅―亜鉛―鉛、金―銀、白金族元素、スズ―タングステン―モリブデン―ビスマスなどである。
成因的には、マグマ活動からの直接産物、高温~低温流体からの沈殿物など、あるいは交代作用による生成物などの初生鉱物の場合と、生成後地表における風化などで生成された二次鉱物とがある。後者ととくに区別する必要のある場合は、初生金属鉱物というように用いる。金属鉱物という語は、metallic mineralsの直訳で、過去にはかなりあいまいな定義で用いられ、不透明鉱物(薄片にした場合光を通さない鉱物)や、単に金属光沢をもつ鉱物をさす場合もあった。
[加藤 昭]
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