東寒川村(読み)ひがしさんがわむら

日本歴史地名大系 「東寒川村」の解説

東寒川村
ひがしさんがわむら

[現在地名]伊予三島市寒川町

嶺北れいほくの中央部に位置し、法皇ほうおう山脈の山嶺から海岸にかけての集落。現寒川町の東部を占める。東は具定ぐじよう村、南は法皇山脈の嶺を境に寒川山さんがわやま村、西は西寒川村に接し、北はひうち灘に面する。東西約八町半、南北約一〇町の農村

南海流浪記」の宝治二年(一二四八)の条に「同年拾月二拾七日、伊予国寒川地頭小河六郎祐長建立一堂、三尊供養導師勤之」とあり、高野山の僧道範が讃岐国に流され、伊予に立ち寄って寒川地頭の建立した堂の供養導師を勤めた。これが地名の初見である。また貞和五年(一三四九)の「筑紫古文書追加」に足利尊氏の出した下文として、

<資料は省略されています>

とあるのが村名の初見である。村名の由来については観音漂着の話がある(→西寒川村

慶安元年伊予国知行高郷村数帳(一六四八)宇摩うま郡の項に「東寒川村 日損所、柴山有」とあり、これが分村後の村名の初見。

和名抄」にみえる宇摩郡山口郷に属したとされ、中世にはすでに開け、津根庄の一部を形成していた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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