東方三博士の礼拝(読み)とうほうさんはかせのれいはい(英語表記)Adoration of the Magi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「東方三博士の礼拝」の意味・わかりやすい解説

東方三博士の礼拝
とうほうさんはかせのれいはい
Adoration of the Magi

キリスト教美術の主題。『マタイによる福音書』2章1~12によれば,イエス・キリストが誕生したとき,東方ペルシアの占星術者たちは新星の現れるのを認め,星を追ってエルサレムヘロデ王のもとにいたり,やがてベツレヘムで幼児にまみえ,拝して捧物を献じた。降誕物語の一部として,特に神の子イエスがユダヤ人以外の人に姿を現した最初の出来事として重視された。初期キリスト教美術においては東方風のフリジア帽をかぶったマギの姿をとったが,やがて『詩篇』 72編 10以下によって彼らを王とする解釈が起り,中世末期には数多くの臣下従者,動物を従えた豪華な王の行列のように表わされた。ガスパール,バルタザル,メルキオールといった彼らの名は後世伝承から生れたものである。作品例はジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ (1423,フィレンツェウフィツィ美術館) など。

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デジタル大辞泉プラス 「東方三博士の礼拝」の解説

東方三博士の礼拝

イタリアの画家ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノの絵画(1423)。原題《Adorazione dei Magi》。『三王の礼拝』『マギの礼拝』とも呼ばれる。フィレンツェ有数の商人パッラ・ストロッツィの命により、サンタ・トリニテ聖堂のストロッツィ家礼拝堂の祭壇画として制作。国際ゴシック様式を代表するファブリアーノの最高傑作として知られる。フィレンツェのウフィツィ美術館とパリのルーヴル美術館が所蔵

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