東部郷(読み)とうぶごう

日本歴史地名大系 「東部郷」の解説

東部郷
とうぶごう

和名抄」にみえるが、高山寺本・東急本とも訓を欠く。「東成郡誌」は「東部」の地名をあげているが、現在は消滅し不明。年月未詳の従人勘籍と称される正倉院文書が当郷に関する唯一の史料

<資料は省略されています>

これによると東部郷でなく東郷と称したことが知られるが、この文書はまた百済郡の初見史料でもある。この文書では郷の下に里の行政区分が行われていたことを示すが、郷里制の施行期は霊亀元年(七一五)から天平一二年(七四〇)までである。また大和(大倭)を大養徳と記すのは天平九年から同一九年までの期間に限られる。したがってこの文書は天平九年から同一二年までの期間に書かれたもので、百済郡成立の確実な下限もこの期間となる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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