東野州聞書(読み)とうやしゅうききがき

改訂新版 世界大百科事典 「東野州聞書」の意味・わかりやすい解説

東野州聞書 (とうやしゅうききがき)

室町時代の歌論書。東常縁(とうのつねより)著。成立を示す奥書などはないが,記事に付された年月日から,1456年(康正2)ころ成立したと推定される。東常縁が,尭孝をはじめとする師友より聞き伝えたことを記録した聞書。内容は,語句の説明や歌人伝記といった歌の解釈に必要な秘伝ほか懐紙短冊の書き方などの故実も多く,当時の歌学を伝える資料として重要である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 小高 道子

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android