東門院(読み)とうもんいん

日本歴史地名大系 「東門院」の解説

東門院
とうもんいん

[現在地名]守山市守山町

旧中山道沿いにある天台宗古刹比叡山東門院守山もりやま寺と号し、本尊観音菩薩近江三十三所観音霊場第二番札所、湖東三十三所霊場第一番札所で、守山観音として知られる。「近江名所図会」巻四にも「守山観音堂」とみえ、「本尊千手観音、十一面観音両像を安ず」とあるが、昭和六一年(一九八六)本堂とともに焼失。「輿地志略」などによれば、延暦四年(七八五)最澄が比叡山の開創にあたって四境に構えた四門のうちの東門にあたり、同一四年、東国から凱旋した坂上田村麻呂伽藍を建立して延鎮作の千手観音像を安置したという。寺号は桓武天皇より賜ったもので、寺領として吉身よしみ金森かねがもり播磨田はりまだを寄せられたとも伝える。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の東門院の言及

【守山[市]】より

…中心市街地の守山は中山道の旧宿場町で,現在も一里塚が残っている。794年(延暦13)最澄が延暦寺の東門として開創した東門院は,石造五重塔(重要文化財),石造宝塔など鎌倉時代の石造建造物を多数もっている。 農業は米作のほか,野菜,花卉の施設園芸が盛んである。…

※「東門院」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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