松室致(読み)まつむろ・いたる

朝日日本歴史人物事典 「松室致」の解説

松室致

没年:昭和6.2.16(1931)
生年嘉永5.1.2(1852.1.22)
明治から昭和期の司法官,政治家小倉藩(北九州市)藩士松室晨吾の長男。明治17(1884)年7月司法省法学校正則科(第2期生)を卒業後ただちに判事補,翌年判事に任ぜられ,浦和始審裁判所判事,東京地裁部長,東京控訴院判事などを歴任。31年6月司法部刷新にともなう大人事異動では,学歴のない特進組に代わって東京控訴院部長から5段飛びの長崎控訴院検事長に抜擢された。その後39年7月検事総長となり,大正1(1912)年12月と5年10月には2度司法大臣に就任するなど,司法界では組織的法学教育を受けた第一世代として累進した。また,貴族院議員,枢密顧問官,法政大学長なども歴任した。

(楠精一郎)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「松室致」の解説

松室致 まつむろ-いたす

1852-1931 明治-昭和時代前期の司法官,政治家。
嘉永(かえい)5年1月2日生まれ。明治18年判事になり,39年検事総長。大正元年第3次桂(かつら)内閣,5年寺内内閣の法相をつとめる。大正2年より法大学長。のち貴族院議員,枢密顧問官。昭和6年2月16日死去。80歳。豊前(ぶぜん)小倉(福岡県)出身。東京大学卒。著作に「改正刑事訴訟法論」。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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