松尾越
まつおごえ
香美郡韮生郷と長岡郡豊永郷(現大豊町)を結ぶ山越えの道。物部川の支流河内川の河口から日の御子・柳川と東岸を北上し、和光淵の上手を西岸へ渡り、古井集落下方の山道を通って川の内へ出る。そこで東岸へ渡って谷道を最上流の松尾まで登り、そこから鉢ヶ森(一二七〇・三メートル)東方の鞍部標高一〇八〇メートル付近を越えて吉野川支流南大王川流域に出る。明治中期、根曳越の道(現国道三二号)が開かれるまでは、豊永郷と高知平野を結ぶ主要往還であった。
天正一六年(一五八八)の韮生谷地検帳によると河内川河口西岸に「代官分 川口給」の屋敷があり、給人川口氏が住んでいる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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