朝日日本歴史人物事典 「松岡仲良」の解説
松岡仲良
生年:元禄14.8.24(1701.9.26)
江戸中期の神道家。名は雄淵。通称は多助,下総。号は蓼蔵舎,渾成翁など。仲良は字。熱田神宮(名古屋市)の祠官の子。初め吉見幸和に神道を学び,のち京都で若林強斎に師事,さらに玉木正英について垂加流神道の諸伝を伝授される。享保18(1733)年『神道学則日本魂』を刊行。これは,中国の禅譲放伐思想を否定,皇位の天壌無窮性を強調したものであったが,当時の神道家を堕落したまじない師と批判したため,垂加神道の行法神事の組織化をはかっていた師正英から破門された。のち神祇官吉田家に賓師として迎えられた。著述はほかに『神代巻或問』『中臣祓伝』などがある。
(白石良夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報