朝日日本歴史人物事典 「松平左近」の解説
松平左近
生年:文化6.3.14(1809.4.28)
幕末維新期の高松藩(香川県)支族。名は頼該,字は子博。隆之丞,道之助,左近と称した。高松藩主松平頼儀の子として江戸に生まれ,兄の夭折で藩主就任のチャンスがあったにもかかわらず家督を継がず,高松に移り住んだ。水戸藩の徳川斉昭に傾倒した尊王家で,桂小五郎(木戸孝允)ら勤王派の藩士,志士を積極的に庇護した。また明治1(1868)年の鳥羽・伏見の戦ののち,弟の高松藩主松平頼胤が一貫して佐幕的な姿勢をとり続け政府軍の来攻にあうと,藩論を恭順に導いて高松が兵禍を被るのを防いだ。<参考文献>梶原竹軒編『金岳公子小伝・金岳公子著書集』
(家近良樹)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報