朝日日本歴史人物事典 「松平忠冬」の解説
松平忠冬
生年:寛永1(1624)
江戸前期の幕臣。書院番士,同組頭,新番組,町奉行,勘定奉行,側衆などを歴任し,元禄10(1697)年勤めを辞す。この間,一方で徳川氏創業以来の歴史の考究にも努め,寛文5(1665)年には,祖父家忠の日記に基づき,松平清康から徳川家康までの徳川氏創業記としての『家忠日記増補追加』を編纂した。さらに,天和3(1683)年末に5代将軍徳川綱吉から,2代将軍秀忠の事跡録の編纂を命ぜられ,翌貞享1(1684)年末には『東武実録』40巻を完成させ献上している。蔵書家として有名な肥前国島原藩主松平忠総の従兄弟にあたる。
(小宮木代良)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報