アンヘレス(読み)あんへれす(英語表記)Juan de los Angeles

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンヘレス」の意味・わかりやすい解説

アンヘレス
あんへれす
Juan de los Angeles
(?―1626)

スペイン人のドミニコ会宣教師。別名ファン・デ・ルエダJuan de Rueda。1604年(慶長9)フィリピンを経て来日。おもに肥前(佐賀・長崎県)地方で副管区長として布教活動を行った。1614年鍋島(なべしま)氏により国外に追放されたが、ふたたび内地に潜入した。1619年(元和5)新宣教師の派遣を求めてマニラに帰り、ドミニコ会員日本派遣の任にあたった。その間、ローマ字書きの『玫瑰(ばいかい)花冠(ロザリオ)記録』(1622)、『玫瑰花冠要覧』を著した。その後琉球(りゅうきゅう)に渡り、日本再渡航の機をうかがったが、孤島に流され、同島で神の住むという森林迷信を破るために踏み入り、その罪で他の信徒とともに島人により水中に投じられ没した。

[黒沢文貴 2018年2月16日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンヘレス」の意味・わかりやすい解説

アンヘレス
Angeles, Juan de los

[生]1536. オロペサ
[没]1609
16世紀スペインの神秘主義文学者。フランシスコ会の修道司祭で,『神の愛の勝利』 Triunfos del amor de Dios (1590) ,『精神征服と秘密の神国問答』 Diálogs de la conquista del espiritual y secreto reino de Dios (95) などの著作がある。

アンヘレス
Angeles

フィリピン,ルソン島中部,パンパンガ州の市。サンバレス山脈の東麓にあり,マニラから鉄道が通じる。フィリピンにおけるアメリカ空軍最大のクラーク基地所在地であったが,ピナツボ山の噴火活動で基地の機能が失われ,1992年にフィリピンに返還された。米やサトウキビ集散地でもある。 1950年代から人口が急増し,州最大の町となった。人口 23万 6000 (1990推計) 。

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