松本健一(読み)まつもとけんいち

百科事典マイペディア 「松本健一」の意味・わかりやすい解説

松本健一【まつもとけんいち】

評論家。群馬県生まれ。埼玉県立熊谷高等学校を経て,1968年東京大学経済学部卒業。会社勤めの後,法政大学大学院で近代日本文学を専攻。在学中の1971年,評伝《若き北一輝》で注目される。1974年同大学院博士課程満期退学。評論家,思想史家として執筆を続ける。1994年麗澤大学経済学部教授。竹内好による日本のアジア主義再評価に傾倒。1995年《近代アジア精神史の試み》(中央公論社,1994年)でアジア太平洋賞,1998年《日本の近代 第1巻 開国・維新》(中央公論社,1998年)で吉田茂賞,2005年《評伝 北一輝》全5巻(岩波書店,2004年)では超国家主義者という従来の評価を排して,近代日本が生んだ特異な革命家の実像を描き,司馬遼太郎賞,毎日出版文化賞を受けた。2010年10月から2011年9月菅直人内閣内閣官房参与

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「松本健一」の解説

松本健一 まつもと-けんいち

1946-2014 昭和後期-平成時代の評論家。
昭和21年1月22日生まれ。会社づとめのあと法大大学院で近代日本文学を研究。昭和46年の「若き北一輝」で注目をあびる。以後,日本近代精神史の分野で評論活動を展開。京都精華大教授をへて麗沢大教授。平成17年「評伝 北一輝」などで司馬遼太郎賞,毎日出版文化賞。平成26年11月27日死去。68歳。群馬県出身。東大卒。著作はほかに「大川周明」「石川啄木」「中里介山」など。

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