松永保・松永庄(読み)まつながほ・まつながのしよう

日本歴史地名大系 「松永保・松永庄」の解説

松永保・松永庄
まつながほ・まつながのしよう

松永保は平安―南北朝期の国衙領。散在性が強いので保域は定めがたいが、およそ現小浜市の中央東部、遠敷おにゆう川・松永川流域一帯すなわち江戸時代の遠敷国分こくぶ金屋かなや竜前りゆうぜん東市場といちば太興寺たいこうじ平野ひらの四分一しぶいち上野うえの三分一さんぶいち門前もんぜんの諸村域に比定される。鎌倉―室町期を通じ皇室を本所とする松永庄もあったが、両者の領域的関係性は明確でない。

松永保は大治元年(一一二六)三月日付若狭国恒枝名田坪付帳案(東寺百合文書)に「松永保内恒枝名田」とみえる。この恒枝つねえだ名田はのち分離して太良たら保となる(→太良庄。「吾妻鏡」文治四年(一一八八)九月三日条に次の源頼朝下文が載る。

<資料は省略されています>

文永二年(一二六五)の若狭国惣田数帳写は応輸田として「松永保四十七町七反七十歩 東郷四十二町廿歩川三丁五反百廿歩、不六丁二百六十歩 西郷五丁六反五十歩川二反百廿歩、不二反二百歩 三方郷壱反」をあげ、「除廿三町一反五十歩」の内訳として川成三町七反余・不作六町三反余・ゆずり寺八反・佃二町・地頭給五町・公文給二町一反・散仕給二反などを記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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