伏見宮貞成(ふしみのみやさだふさ)親王(のち後崇光(ごすこう)院)の日記。44巻、別記11巻。45歳の1416年(応永23)より書き始め、48年(文安5)までの33年に及ぶ(途中欠巻あり)。来翰(らいかん)などのほか、連歌懐紙(れんがかいし)の紙背が多用されているのは珍しい。皇子彦仁(ひこひと)王が後花園(ごはなぞの)天皇として即位する前後の政局、将軍足利義教(あしかがよしのり)時代の幕府や守護の動静をはじめ、能、狂言や茶、いけ花など芸能、風俗に関する記事、市井の雑事に至るまで内容は多彩で、『満済准后日記(まんさいじゅごうにっき)』と並ぶ室町時代中期の代表的な日記である。自筆本がコロタイプ版で複製刊行され、活字としては『続群書類従』(補遺2)があり、紙背文書・別記は『図書寮叢刊(ずしょりょうそうかん)』に収められている。
[桑山浩然]
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
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…自筆の原本全44巻(うち第1巻は書状の包紙などを収む)が宮内庁書陵部に伝存する。書名は貞成親王自身の命名したもので,正しい書名であるが,ふつうは《看聞御記(かんもんぎよき)》の名でしられてきている。〈看聞〉とは,文字どおりに〈見たり聞いたりしたこと〉の意味であるが,政界深奥部の極秘事から巷間の風聞にいたるまでの豊富な話題が記されており,当代の歴史研究に不可欠である。…
※「看聞御記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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