板柳(読み)いたやなぎ

改訂新版 世界大百科事典 「板柳」の意味・わかりやすい解説

板柳[町] (いたやなぎ)

青森県中部,北津軽郡の町。人口1万5227(2010)。津軽平野中央部,岩木川東岸の沖積地からなる。中心の板柳は津軽藩によって,日本海に通じる河港として開かれ,当時は板屋野木と称した。寛永年間(1624-44)以降,周辺の新田開発が進むにつれ,物資集散地として栄えたが,明治以降岩木川の舟運が衰え,北津軽郡役所の置かれた五所川原繁栄と対照的に活気を失った。明治中期にリンゴが導入され,岩木川の自然堤防上を中心にリンゴ栽培が盛んとなった。1972年にはアメリカ,ワシントン州のリンゴの町,ヤキマ市と姉妹都市となり,リンゴ栽培者の研修などの交流を行っている。JR五能線が通じ,リンゴ園に囲まれた板柳温泉(含食塩炭酸鉄泉,56℃)・高増温泉(弱食塩泉,43℃)がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「板柳」の意味・わかりやすい解説

板柳(町)
いたやなぎ

青森県西部、北津軽郡、津軽平野のほぼ中央にある町。1920年(大正9)町制施行。1955年(昭和30)小阿弥(こあみ)、沿川(そえかわ)、畑岡の3村と合併。JR五能線、国道339号が通じる。藩政時代は板屋野木(いたやのき)とよばれ、この地方の物資の集散地であり、岩木川には河港が設けられていた。新田開発が進むにつれて藩の代官所が置かれるなど、中心的役割を果たしたが、明治になると五所川原(ごしょがわら)に繁栄を奪われた。岩木川の自然堤防に沿ってリンゴ園が広がり津軽のリンゴ生産の中心地の一つとなっている。板柳駅近くには塩化物泉の温泉が湧出(ゆうしゅつ)する。面積41.88平方キロメートル、人口1万2700(2020)。

横山 弘]


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百科事典マイペディア 「板柳」の意味・わかりやすい解説

板柳[町]【いたやなぎ】

青森県北津軽郡,岩木川に臨む津軽平野中央部の町で,大部分が平たん地。米,リンゴを産する。五能線が通じる。41.88km2。1万5227人(2010)。

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世界大百科事典(旧版)内の板柳の言及

【板柳[町]】より

…津軽平野中央部,岩木川東岸の沖積地からなる。中心の板柳は津軽藩によって,日本海に通じる河港として開かれ,当時は板屋野木と称した。寛永年間(1624‐44)以降,周辺の新田開発が進むにつれ,物資の集散地として栄えたが,明治以降岩木川の舟運が衰え,北津軽郡役所の置かれた五所川原の繁栄と対照的に活気を失った。…

※「板柳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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