枕定む(読み)マクラサダム

デジタル大辞泉 「枕定む」の意味・読み・例文・類語

まくらさだ・む

寝るときに、頭にする方向を定める。枕の向きによって恋人の夢が見られるとされた。
「夕さればわが身のみこそ悲しけれいづれの方に―・めむ」〈後撰・恋三〉
男女が一緒に寝る。共寝する。
「思ひのままに―・めて語らんものを」〈浮・五人女・三〉
遊里で、相手女性を定める。
「それに―・めんといふを聞きて」〈浮・一代男・五〉

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精選版 日本国語大辞典 「枕定む」の意味・読み・例文・類語

まくら【枕】 定(さだ)

  1. 寝る時、頭にする方向を定める。その方向により恋人を夢みるという俗信があった。
    1. [初出の実例]「夜ひ夜ひに枕さだめん方もなしいかにねし夜かゆめにみえけん〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋一・五一六)
  2. 寝場所をきめて落ち着いて寝る。ゆっくり寝る。
    1. [初出の実例]「まくらさだめぬゆめのうちにまどひつつ」(出典:苔の衣(1271頃)三)
  3. 相手を定めてともに寝る。特に遊里で、寝る相方を定める。
    1. [初出の実例]「夕されば玉散る野べのをみなへし枕さだめぬ秋風ぞふく〈藤原良平〉」(出典:新古今和歌集(1205)秋上・三三八)

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