朝日日本歴史人物事典 「林国雄」の解説
林国雄
生年:宝暦8(1758)
江戸中・後期の国学者。通称は主税。別称山崎千右衛門。号は常磐居,松園,棹歌亭。水戸の生まれ。江戸に出て甲府勤番支配八木丹波守に仕え,狂歌を鹿都部真顔に学ぶが,のち和歌の道に入る。事情あって八木家を退き山崎某の養子となり千右衛門を名乗るが,ここも辞し,関東諸国や奥羽,信濃,越後などを遊歴した。門人四谷庵月良の記す評伝には遊歴中の様々な逸話を載せている。四谷苅豆店に居を定めてからは門人多く,講釈を盛んに行った。文政2(1819)年,越後国の弟子甕雄を娘にめあわせて跡を継ぐべく遺言して世を去った。著作に『詞の緒環』『皇国之言霊』『松葉集』などがある。<参考文献>四谷庵月良「林国雄伝」(『帝国文学』1897年12月号)
(飯倉洋一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報