改訂新版 世界大百科事典 「林業補助金」の意味・わかりやすい解説
林業補助金 (りんぎょうほじょきん)
林業生産の長期性と森林の公益的機能の重要性とにもとづき交付される補助金。これには,公益的な目的を果たすための事業に対する公共事業補助金と,産業の振興など政策目標を達成するための指導,奨励,計画の樹立などに対する非公共事業補助金とがある。林業補助金の大部分を占める公共事業補助には以下のものがある。(1)造林補助金 植林してから数十年後にしか生産を期待できないという林業の長期性の不利を補うことが目的である。間伐を促進するための措置や,保育を適切に行うための補助などが内容となっている。(2)林道補助金 木材需要の増大,地域振興の必要性などが林道事業に対する補助金交付の根拠となっている。山村の発展,林業生産の活発化のための林道を円滑に開設することを目的とする。(3)補助治山 治山事業のうち都道府県が行う治山事業に国が補助するもの。また災害復旧事業についても林地崩壊防止工事,小規模山地災害対策事業,林地荒廃防止施設災害復旧事業に対する補助が行われ,さらに森林災害復旧事業(大雪で倒れた場合など)に対する補助制度も1981年に生まれた。
執筆者:筒井 迪夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報