林謙三(読み)ハヤシ ケンゾウ

20世紀日本人名事典 「林謙三」の解説

林 謙三
ハヤシ ケンゾウ

大正・昭和期の彫刻家,音楽学者



生年
明治32(1899)年5月1日

没年
昭和51(1976)年6月9日

出生地
大阪市

本名
長屋 謙三

学歴〔年〕
東京美術学校彫刻科〔大正13年〕卒

主な受賞名〔年〕
朝日文化賞〔昭和24年度〕,奈良県文化賞〔昭和24年〕「古楽器の残欠復元

経歴
大正13年第5回帝展で「老人」初入選、出品を続けた。昭和2年朝鮮へ古蹟古美術見学旅行、古典音楽に魅せられ、独学で研究。3年郭末若と親交、「郭末若像」を制作、郭の訳で「随唐燕楽調研究」を上海刊行。12年第1回新文展「愛児」で無鑑査に推され、出品のかたわら、敦煌琵琶譜、五絃譜の研究に努めた。20年奈良に移住、23年から正倉院楽器の調査、復元に当たった。26年奈良学芸大教授、同付属山学校長、その後東大阪短大教授、東洋音楽楽会理事・関西支部長。著書は「東亜楽器考」「正倉院楽器の研究」「雅楽―古楽譜の解読」などもある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「林謙三」の意味・わかりやすい解説

林謙三
はやしけんぞう

[生]1899.5.1. 大阪
[没]1976.6.9. 奈良
東洋,日本の音楽研究家,彫刻家。 1924年東京美術学校彫刻科卒業。彫刻家として活躍する一方,楽器,音律などを中心に東洋,日本の音楽を研究。正倉院楽器の復元をはじめ,古譜の解読その他に優れた業績を示した。奈良学芸大学 (現奈良教育大学) 教授などを経て,東大阪短期大学 (現東大阪大学短期大学部) 教授。東洋音楽学会副会長,同関西支部長。主著『隋唐燕楽調研究』 (1963) ,『東亜楽器考』 (1962) ,『正倉院楽器の研究』 (1964) ,『東アジア楽器考』 (1973) 。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「林謙三」の解説

林謙三(1) はやし-けんぞう

1899-1976 大正-昭和時代の彫刻家,音楽学者。
明治32年5月1日生まれ。大正13年帝展に初入選し,昭和12年新文展無鑑査。かたわら東洋古典音楽を研究し,「隋唐燕楽調研究」(郭沫若(かく-まつじゃく)訳)を上海で出版。正倉院楽器の復元,敦煌琵琶譜(とんこうびわふ)の解読などでも知られた。昭和51年6月9日死去。77歳。大阪出身。東京美術学校(現東京芸大)卒。

林謙三(2) はやし-けんぞう

安保清康(あぼ-きよやす)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「林謙三」の解説

林 謙三 (はやし けんぞう)

生年月日:1899年5月1日
大正時代;昭和時代の彫刻家;音楽学者。奈良学芸大付属山学校長;東洋音楽楽会理事・関西支部長
1976年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の林謙三の言及

【伎楽】より

…《博雅笛譜》《仁智要録》などに譜が残されているが音楽の実態は不明。ただ《獅子》《呉公》《大孤》の笛パートは林謙三(1899‐1976)によって復元され,レコード化されている(《天平・平安時代の音楽――古楽譜の解読による》,日本コロムビア,1965)。雅楽【田辺 史郎】
[伎楽面]
 狭義の伎楽には各種の伎面が用いられている。…

【琵琶】より

…楽琵琶の技法としては,1本の弦だけを弾ずる〈一撥(ひとつばち)〉,複数弦をポロロンと弾ずる分散重音の〈搔撥(かくばち)〉,撥の方向を通常と反対にする〈返し撥〉,左手の指で弦を打ち,すぐに軽くはじく〈弛す(はずす)〉など,後世の琵琶楽の基本となるものがほぼそろっている。合奏用だけでなく琵琶独奏曲の輸入もわずかにあったらしく,《流泉》《啄木(たくぼく)》《揚真操(ようしんそう)》の秘伝3曲が藤原師長(もろなが)の《三五要録》に収められているので,林謙三(1899‐1976)により復元が試みられた。声楽と琵琶との結びつきは雅楽との関連でもいくつかの様相を示し,後代の声楽中心の琵琶楽を暗示するものがあった。…

【風俗】より

…室町時代には滅んだが,近世の国学者は神楽(御神楽(みかぐら)),催馬楽(さいばら),東遊(あずまあそび)とともに〈四譜〉と称して重視した。《承徳本古謡集》(26曲),《文治本風俗古譜》(14曲),《楽章類語鈔》(26曲)など諸本の詞章は《古代歌謡集》(日本古典文学大系3)に集成され,林謙三(1899‐1976)による復元の一部がレコード化されている(《天平・平安時代の音楽――古楽譜の解読による》,日本コロムビア)。【田辺 史郎】。…

※「林謙三」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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