デジタル大辞泉 「柳は緑花は紅」の意味・読み・例文・類語 柳やなぎは緑みどり花はなは紅くれない 《蘇軾「柳緑花紅真面目」から》1 自然のままであること。2 春の美しい景色を形容する言葉。3 ものにはそれぞれ個性が備わっていることのたとえ。「―、さまざまの世のならはしこそ定めなき」〈浄・文武五人男〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「柳は緑花は紅」の意味・読み・例文・類語 やなぎ【柳】 は 緑(みどり)花(はな)は紅(くれない) ( 蘇軾の詩の「柳緑花紅真面目」から )① 柳は緑色をなし、花は紅に咲くように、自然そのままであること。また、ものにはそれぞれの自然の理が備わっていること。[初出の実例]「仏あれば衆生あり、衆生あれば山姥もあり、柳はみどり、花は紅の色々」(出典:謡曲・山姥(1430頃))② 春の美しい景色を形容するのにいう。③ さまざまにものが異なっているありさまのたとえにいう。[初出の実例]「柳はみどり、花はくれなひさまざまの世の、ならはしこそ定めなき」(出典:浄瑠璃・文武五人男(1694)道行) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
故事成語を知る辞典 「柳は緑花は紅」の解説 柳は緑、花は紅 自然がありのままの状態であることのたとえ。また、春の美しい景色のたとえ。 [使用例] 柳は緑、花は紅、そのほかに何の奇があると云いいます。しかし実際はこう素そっ気けない世の中ではありません。柳に舟を繫つなぎたくなったり、花の下で扇を翳かざしたくなるのが人情であります[夏目漱石*創作家の態度|1908] [由来] 「五灯会元―八」に出て来る、一〇~一一世紀、北ほく宋そう王朝時代の中国の僧、酒しゅ仙せん遇ぐう賢けんが作った詩の一節から。「秋至れば山寒く水冷ややかに、春来たれば柳は緑、花は紅なり(秋になると山は寒々しく、水は冷たくなるし、春になれば柳には緑の芽が吹き、木々に赤い花が咲く)」とあります。また、おそらくはこれを踏まえて、酒仙遇賢から数十年後の文人、蘇そ軾しょくは、「柳は緑、花は紅、真しん面めん目ぼく(柳が緑の芽を吹き、木々が赤い花を咲かせるのは、自然の本来の姿だ)」と述べています。 出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報