国指定史跡ガイド 「栄山寺行宮跡」の解説
えいざんじあんぐうあと【栄山寺行宮跡】
奈良県五條市小島町の吉野川(音無川)に面した景勝地にある宮殿跡。南北朝時代、後村上・長慶・後亀山の3天皇の行宮があった地として、1938年(昭和13)に国の史跡に指定された。行宮が置かれたとされる栄山寺は、藤原仲麻呂が寺を創建した父の藤原武智麻呂の菩提を弔うために建てたと伝えられる国宝の八角堂がある寺として知られている。八角堂は1910年(明治43)と翌年に修理されたが、基壇は平面正八角形で、付近から産出された片岩を用いた壇上積み一重のもので、礎石の移動もなく、内陣4個、外陣8個からなり、内陣には彩色された仏画が描かれる。裏山には史跡に指定されている藤原武智麻呂墓、西方には宇智川磨崖碑があり、指定地内にある川岸は公園になっている。JR和歌山線五条駅近くの五條バスセンターから奈良交通バス「栄山寺」下車、徒歩すぐ。