栗熊郷・栗熊庄(読み)くりくまごう・くりくまのしよう

日本歴史地名大系 「栗熊郷・栗熊庄」の解説

栗熊郷・栗熊庄
くりくまごう・くりくまのしよう

古代の鵜足うた栗隈くりくま(和名抄)の郷名を継ぐ。栗熊東・栗熊西が遺称地で、その一帯に比定される。建長五年(一二五三)の近衛家所領目録(近衛家文書)に栗熊庄は堀河天皇中宮篤子内親王(藤原師実の養女)領三ヵ所の内であったとみえ、一一世紀末―一二世紀初頭には成立していたと考えられる。同年までは藤原忠通妻源信子が伝領していたが、これを孫近衛基通に譲り、基通が龍前に譲与した。同目録案には西林寺領と注記があって、当時近衛家は領家職を保留して、基通の父近衛基実の墓所西林寺に寄進されていた。以後所見がない。これとは別に嘉元四年(一三〇六)昭慶門院領目録案(竹内文平氏旧蔵文書)に載る讃岐国の公領中に「栗熊郷東脱上人」がみえ、後宇多上皇から昭慶門院に譲られており、知行者は東脱であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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