株式証拠金率操作(読み)かぶしきしょうこきんりつそうさ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「株式証拠金率操作」の意味・わかりやすい解説

株式証拠金率操作
かぶしきしょうこきんりつそうさ

株式市場の取引は会員証券会社間では現物で決済されるが、市場に適度の仮需要を導入して活気を与える趣旨から、顧客に対しては少額資金(委託保証金あるいは証拠金)で株式の売買ができる仕組みが設けられている。これが信用取引で、アメリカの証拠金取引に相当する。株式証拠金率操作とは、こうした信用取引の過熱化を抑制し、あるいはその緩和を図るために、証拠金率を上下に変更する措置をいう。アメリカでは連邦準備制度理事会に対して、こうした信用取引において過度の信用供与が行われることを防止する権限が与えられている。日本では改正日本銀行法(1998年4月施行)においてこの規定は設けられていない。

 日本では金融商品取引法によって内閣総理大臣(金融庁長官に権限委任)が証券会社の顧客への信用供与率などを定めることになっているが、実際はその範囲内で証券取引所が自主的に運営している。

[石田定夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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