核分裂性核種(読み)カクブンレツセイカクシュ(英語表記)fissile nuclide

デジタル大辞泉 「核分裂性核種」の意味・読み・例文・類語

かくぶんれつせい‐かくしゅ【核分裂性核種】

自発核分裂、または中性子(特に熱中性子)の衝突によって核分裂する核種総称ウラン235、プルトニウム239などが知られ、核燃料に利用される。

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化学辞典 第2版 「核分裂性核種」の解説

核分裂性核種
カクブンレツセイカクシュ
fissionable(fissile) nuclide

一般には,自発核分裂,または中性子によって核分裂反応を起こす核種.原子番号Zが大きく質量数A小さい分裂に対して不安定となる.液滴模型によれば,

Z 2/A45
で自発核分裂が起こりうる.狭義には,233U,235U,239Pu のように熱中性子(0.025 eV 程度エネルギーをもつ中性子)によって核分裂反応を起こす核種をいう.このような核種を含む物質核分裂性物質という.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「核分裂性核種」の意味・わかりやすい解説

核分裂性核種
かくぶんれつせいかくしゅ
fissile nuclide

熱中性子で核分裂を起こす核種で,親物質核に対して使われるのが一般的だが,日本の原子力関係法規では,核分裂性物質との区分が明確ではない。天然ウラン 235のほか,人工的につくるプルトニウム 239,ウラン 233などが狭義の核分裂性核種とされるが,高速中性子で核分裂を起こしうる fissionable nuclideと呼ばれる核種も核分裂性核種と訳されることが多い。入射中性子のエネルギーが 20MeV (メガ電子ボルト) 以下と広く考えるとウラン 238,トリウム 232も含まれる。

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世界大百科事典(旧版)内の核分裂性核種の言及

【原子炉】より

… 核分裂とは,重い原子核が質量のあまり違わない二つの原子核に分裂する現象である。熱中性子を吸収したときに核分裂する確率が大きい原子核を核分裂性核種と呼ぶ。原子炉ではウラン235 235U,ウラン233 233U,プルトニウム239 239Puなどの核分裂性核種が使用される。…

※「核分裂性核種」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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