核分裂片(読み)カクブンレツヘン

デジタル大辞泉 「核分裂片」の意味・読み・例文・類語

かくぶんれつ‐へん【核分裂片】

核分裂過程最初に生成される核種。一般的に原子核分裂しても質量数が同程度の核種にはならず、質量数にして3:2の割合に分裂することが多い。ウラン235の場合、一方が質量数140程度、もう一方が95程度になる。陽子または中性子の数は、安定した原子核を特徴づける魔法数に近い値をとる傾向がある。核分裂破片一次核分裂生成物

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化学辞典 第2版 「核分裂片」の解説

核分裂片
カクブンレツヘン
fission fragment

核分裂断(破)片ともいう.核分裂によって原子核が二つに割れる際,最初に形成される核種をいう.重い元素は軽い元素よりも陽子に対する中性子の割合が大きい状態で構成されている.そこで核分裂の際,たとえば,ある原子番号 139La と 81Br のような安定な元素より,過剰の中性子を含む 148La と 88Br のような核分裂片が分裂とともに放出,形成される.おのおのの核分裂片は安定になる前に3~4個の β 粒子を放出しながら,β 崩壊する.U-Al合金およびUO2中の核分裂片の飛程はそれぞれ3~5 μm および6~10 μm である.[別用語参照]核分裂生成物

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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