核実験探知クラブ(読み)かくじっけんたんちクラブ(その他表記)detection club of nuclear testing

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「核実験探知クラブ」の意味・わかりやすい解説

核実験探知クラブ
かくじっけんたんちクラブ
detection club of nuclear testing

1965年9月にスウェーデン十八ヵ国軍縮委員会に提出した「地下核爆発探知のための国際協力に関する覚え書」に示された構想核実験の全面的禁止にとっての難題が地下実験の探知問題であるところから,世界的規模の地震波探知網をつくることによって地下実験の探知・識別能力を高め,その技術的な圧力をもって大国の実験の阻止をはかろうとするもの。それは,探知,識別のための国際的なデータ提供,協力の仕組みといえる。こうした名称のクラブは存在しないが,国際協力によるかなり高度の検証能力はすでにできつつある。

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世界大百科事典(旧版)内の核実験探知クラブの言及

【核実験】より

… 部分的核実験停止条約が結ばれたとき,これが全面的なものとなりえなかった表向きの理由は,核実験の検証,とくに現地査察の細部について合意が得られなかったからであった。しかし1965年の18ヵ国軍縮委員会に,スウェーデンは地下核爆発探知の国際〈核実験探知クラブ〉を提案し,その後も専門家の参加した非公式会議などで,地震学的方法などによる探知技術についての地道な努力が続けられてきた。80年代半ばの技術では,固い岩石中に封じこめた核爆発ならば,約1ktに対応する地震現象を探知し,位置を判定することが可能だとされている。…

※「核実験探知クラブ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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