根占湊(読み)ねじめみなと

日本歴史地名大系 「根占湊」の解説

根占湊
ねじめみなと

[現在地名]根占町川北川南

川の河口からその流域にあった湊。中世以来、南蛮船や琉球・中国の船が頻繁に出入りしたという。天文一三年(一五四四)一一月五日の沙弥清本譲状案(池端文書)は、池端清本が禰寝ねじめ院内の相伝私領を孫の又七に譲る際のものである。このなかに清本の嫡男清住が討死したことが記され、さらに清住の「嫡子弥次郎重尚(清尚カ)、於小禰寝港唐人南蛮人与戦之時、中手火矢討死了」とある。小禰寝こねじめ港は根占湊をさすとみられ、この港に唐人や南蛮人が来航していたことが知られる。天正一五年(一五八七)二月二五日の島津義久琉球渡海朱印状(旧記雑録)には、「大隅国根占湊小鷹丸 船頭橋本右京亮」とある。同一八年九月二六日の同朱印状(町田氏正統系譜)では小鷹丸の船頭は橋和泉拯となっているが、朱印状は町田久倍に与えられたものであった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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