日本大百科全書(ニッポニカ) 「根占」の意味・わかりやすい解説
根占
ねじめ
鹿児島県大隅半島(おおすみはんとう)南部、肝属郡(きもつきぐん)にあった旧町名(根占町(ちょう))。現在は南大隅町の北部を占める。旧根占町は1941年(昭和16)小根占村が町制施行、往古以来の郷名にちなみ改称した。2005年(平成17)佐多(さた)町と合併、南大隅町となった。旧根占町の北部はシラス台地、南部は山地で、阿多(あた)カルデラ東壁が鹿児島湾(錦江湾(きんこうわん))に迫る西岸は霧島錦江湾国立公園区域。国道269号が通る。鎌倉時代から300年間は禰寝氏(ねじめうじ)が支配し、琉球(りゅうきゅう)貿易により栄え、唐人町の跡がいまに残る。近世は島津氏の直轄地で、藩の専売品ハゼノキが栽培された。気候温暖でキヌサヤエンドウの露地栽培やピーマンの施設園芸が盛んなほか、葉タバコや果樹なども多い。ヘゴ(亜熱帯性の木生シダ)の自生北限地で国の天然記念物に指定。
[白石太良]
『『根占郷土誌』上下(1974・根占町)』▽『『根占名勝誌』(1974・根占町)』